オーダーカーテンと既製カーテンの違いというお題でお話しています。
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↑主にスタイルの違いのお話です。
↑主に芯地の違いのお話です。
オーダーカーテンの縫製工場に勤める私も、今の仕事をするまではカーテンの縫製のこと
何も知りませんでした。
なんとなく、オーダーカーテンはエレガントな柄ばかりのイメージでしたし、私自身はシンプルなインテリアが好きだからサイズが合うなら既製カーテンで充分!
そう思っていました。
同じような方にほんの少し 今までよりもカーテンのことに興味を持っていただけて、
カーテンを選ばれる際の参考にしていただければ、と思い書いています。
さて今日は耳と裾のお話をしようと思います。
まず耳の縫製について。
カーテンでいう耳とは両サイドのことを指します。
生地切りっぱなしではほつれますし、生地の耳組織そのままではみっともないですよね。
ですから カーテンに仕立てるときは生地の端が見えないように巻き込み、ミシンで縫います。
既製カーテンの耳で多いのは1.5~2cmのシングル巻きです。
シングル巻きとは 下図のような生地の巻き込みの方法です。
これは上から見た断面図と思ってくださいね。
黒い線は生地、青い線がミシンで縫い押さえるところです。
生地の端は折り込んであるものの、見えないようにするためだけの最小の巻き込みという感じ。
一方のオーダーカーテンの耳は三つ巻きが標準。三つ巻きのことをダブル、とも言います。
その巻きの幅はスタイルによって様々です。
一番多いのは2.5cmの三つ巻き。
2cm、3cmのご指定もあります。
カーテンの広い幅の中のたった数センチなんですが、見た目には結構な違いが出る部分です。
時々『ゴージャスに仕立てたいので5cmで巻けますか?』 なんていうお問い合わせをいただいたりしますが、あまりにも耳が広すぎるとカーテンを吊った際に端が垂れてしまいみっともないです。
やはり今の大体の標準があるのには、キチンと理由があるのだなぁと思います。
次に裾です。
裾は一番下の折り返し部分のことを言います。
この部分も耳と同じく、既製カーテンはシングル巻きが多いです。既製カーテンの標準折り返し幅は5〜8cm程度でしょうか。
耳と裾 共通して言えることですが、シングル巻きだと外から日が当たったときに耳の幅の中でもよく透ける部分と透けない部分が出てきます。
生地が重なっている枚数が違うからです。
↓既製カーテンのシングル巻きの裾
一方のオーダーカーテン。
裾も耳と同じく三つ巻き。裾幅は10〜12cmが多いです。ここでも惜しみなく生地を使います。
裾と耳の折り返しが重なる角にはカーテンウェイト(おもり)が入っており、カーテンの端が広がらずストンと美しく落ちるのを助けます。
※ 形態安定や形状記憶などのプリーツ加工をかけるものにはウェイトは入らないのが標準です。ウェイトを入れなくても美しく保てるからです。
裾は三つ巻きですから、先程の既製カーテンのように透けたとき濃さが違って見えることはありません。
既製カーテンはリーズナブルに消費者に提供する為の工程の工夫があり、
オーダーカーテンはどんな時も美しく見える工夫、美しく見せる技術が施されているのがわかります。
次回はオーダーカーテンの【柄合わせ】についてお話します。
さ、月曜日
今週も頑張りましょう(*^^*)
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