今日は【カーテンの加工直し】についてお話したいと思います。

 

【加工直し】ってご存知ですか?

私は今の縫製工場に勤めるまで、カーテンの加工直しという概念を知りませんでした。

 

加工直しと言っても色々なご依頼があります。

 

① サイズのお直し

仕上がり幅詰め、丈詰め(短く)

幅伸ばし、丈伸ばし(長く)

※ できない場合もあります。幅は一旦ヒダ山をほどいて山を取り直し、丈は裾の折り返しなどで調整します。余裕がなければできません。

 

② 裏地付き仕様に加工直し

 

③ 形態安定加工、形状記憶加工など、プリーツの後加工

 

④ ベルクロ(マジックテープ)縫い付けやタッセル縫い付け、専用タグ縫い付け

などなど。

 

加工直しのご依頼は、手元にまだ商品がない状態で見積もりをさせていただくところから始まります。

現状のサイズや生地品番、スタイル、どのくらい前のものなのか

それからどういう加工をご希望なのか

詳しい情報をいただき、見積もりをさせていただきます。

 

見積もりは覚えてしまえば簡単なことです。

ほどきが必要か。どこをほどいてどんな加工をするのか。

加工する箇所とその種類で加算していきます。

 

ただ、商品が手元にないだけに気をつけなければいけないことがあります。

 

まず、ほどきに耐えられる(針穴が残りにくい)生地かどうか。

ほどき後にアイロンでプレスすれば針穴はほぼ目立たなくなる生地もありますが、どんなテクニックを駆使しても針穴が残る生地もあります。

 

それから商品になってからどれくらいの年月が経った商品なのか。

丈夫な生地でも例えば10年も経っていればかなり生地自体が傷んでいます。

 

それらを考慮しながら見積もりさせていただきます。針穴が残りそうなら必ず見積もりの段階でお伝えします。

 

先日、10年使われたカーテンの加工直しのご依頼をいただきました。

幅も丈も短くするご依頼でしたのでかなりのほどきが必要です。

10年の生地はほどきには耐えられないだろう、仮に加工代をかけていただいて加工直ししても、あと何年もつかを考えたらお受けしない方がいいのでは?

と思い、見積もりせずに、まずその旨をご説明しました。

すると、ダメなら諦めます。一度商品を見ていただきたい、とお客さま。

 

状態を見せていただいてから最終のお返事をする事にして、商品を送っていただきました。

 

届いた商品は、もう廃番になった某メーカーさんのドレープ(厚手カーテン)でした。

 

箱を開けると丁寧に畳まれたカーテン

ふわっと洗剤の匂い。

きっとご自宅でメンテナンスを重ね、大切に大切に10年使われたのでしょう。

織りで細かいストライプが入ったその生地は、10年経ってもとてもしっかりしていてまだまだ現役の様子でした。

樹脂製のフックだけがやや黄色っぽく変色し、経年を感じさせていました。

 

許可をいただいてから試しに1箇所だけ山をおほどきし、アイロンを。

 

うん。これなら大丈夫そう!

 

誰かに任さず私がほどきをしたかったので、少しお日にちを頂戴し加工直しを承りました。

丁寧におほどきして、ご希望の幅丈に。

針穴もほぼ残らず、とても綺麗に仕上がりました。

変色していたフックは新品に交換しましたので、どこからどう見ても新しいカーテン。

 

加工直しは何度もさせていただいていますが、こんなにお客さまの思い入れを感じた商品は初めて。

とても温かい気持ちになりました。

 

上質なものを大切に使う気持ち。

とても素敵です。

 

オーダーカーテンがまた好きになりました。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です